じんせいテラス

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大きな足袋

前回の『小さな旅』から今回の『大きな足袋』へとペン🖋を走らせました。

私は幼い頃、生まれ故郷室蘭で母方の両親に大変愛され可愛がられ育てられました。
我が人生で一番穏やかだったかもしれない時代……ぼんやりながら室蘭での淡い記憶を辿る脳裏旅をどれだけしてきただろうか🤔

特に祖母は鮮やかに私の心の中に生き続けてくれていて、何かにつけガラスのハートの私に今でも叱咤激励してくれています。
片や祖母の陰に隠れ印象が薄い祖父ですが、ある印象深い思い出があります。
ある日祖父が大好きな日本酒でホロ酔いながら、自分で履いていた片方の足袋を脱ぎ私の小さな足に履かせながら[こはぜ]とよばれる止め金具の付け方を教えてくれました。
大きな足袋の中に私の小さな足🦶を入れた祖父は笑い出して「俺もこんな足の時があったんだろうなぁ!」と、ボソッと言いながら私のふくらはぎを優しく何度も何度も撫でてくれました。
そして常日頃元気のないしょげかえっている事多かった私に「明日は明日の風が吹くんだヨ!」と声掛けしてくれました。
今でも忘れられない貴重な祖父との思い出のシーンの一コマです。

歳を取ったら他人に吹聴する思い出話はなるべく控えるよう心掛けながら、反面歳を重ねる毎に溜まってゆく喜怒哀楽に彩られた思い出の数々を独り胸に秘め、それらを糧にして心豊かに生きてゆけたらとも思っています。

最近切なく辛い事重なって落ち込んでいるように見えた息子に「辛い時、やるせない時、俺のような素晴らしい父がいる事を思い浮かべて乗り越えてゆけ😤」と声を掛けたら、瞬時に「余計辛くなるわ😒」と即答されて何故か嬉しくなった朝を迎える事が出来ました。

何かしら世知辛い時代になってきていますが、特に若者には夢と勇気と希望をシッカリと持って大きな旅を続けていって貰いたいと思っています。